
東京一極集中の時代が終わりつつある今、地域や地元で活動したいという人はどんどん増えてきた。
僕が「そうだ埼玉」を始めた2014年から見ても、肌感的に随分変わったと感じる。
「地域活性化」という概念が変わる、あるいは変わらざるを得ない潮目にある中、この埼玉県でどんな地域コミュニティを構築していくかという検証記録。
目次
地域コミュニティとは
地域のためか、自分のためか
これまでの経緯はこちら。
よくある地域コミュニティは、地元でなにかやりたいという人たちが集まって、地域に貢献できそうなことを考え、Facebookでいいね押し合ってみたいなやつだと思うけど、僕がやりたいのはそういうことではなくて。
「みんなで埼玉を盛り上げよう!」みたいな、悪いことだとは思わないんだけど、なんか主体性がなく責任者も不在で、具体性もなくて。
最終的になにがしたいのかを問うても「埼玉を盛り上げたいから」という、ぼんやりした言葉しか返ってこない。
これで儲けようぜとか、これで女にモテようぜなんて言おうもんなら、なんだこいつ的な目をされ、あれ、俺がおかしいのかなと。
でもその実、中に入っていくと「あの人とあの子、そういう関係なんで、鷺谷さんそこだけちょっとすいませんけど(配慮してやってください)」的なこと言われたりして、なんだ、お前らもやることはやってんじゃない、だったら最初から、地域活性という名のもとに出会いを増やそうとか、正直に言えばいいのに、とか。
健全でなければならないという呪縛
「地域活性化」ということを掲げると、それは常に健全でなければならないみたいな呪縛に囚われている人が多い。
でも、根本的には、地域のことより自分のことの方が大事でしょ。まず自分の生活や幸福を確立させてから、他のことも考えればいいわけで。
僕がやってきているのは、その自分の生活や幸福を確立させる手段として、(自分の)地域をフィールドにしてやれないかというチャレンジで。
地域活性化の3M(モテない、儲からない、目立てない)という話をよくするけど、これまで、人の欲求を消化する場所は、都心でなければ実現しにくかったけど、これからは、必ずしも都心じゃなければできないということもなくなってくる。
一極集中型の終わり
「代官山や表参道のショップで買った」ということ自体がブランドになっていた時代から、ZOZOをはじめとして、今はネットショップでどこからでも買える時代。
さらにEコマースの(システム簡略化の)進化でZOZOを介さずとも、アパレルメーカーが客と直接やり取りしやすくなった。
となれば、東京一等地にショップを構えるほうがコスパが悪くなってくる。
そもそも、100万の腕時計や高いスーツ着てドヤ顔したいという感覚も消えてきてるし、高級外車を乗り回しナンパに繰り出しちゃうぜバブル世代、に象徴されるような意識もとうに薄れてる。
原田曜平さんはこれを「さとり世代」と称した。
高級ブランドに身を包むより、ファストファッションでおしゃれコーデできた方がいいねつくし、シェアリングエコノミーは更に進む。
人との出会いも、SNSやゲームアプリが中心になってきて、仕事も、昔に比べれば在宅でこなせるものが随分増えた。
だからといって、誰も東京に来なくなるなんてことはあり得ないけど、必ずしも東京に行かないとダメというケースが減ってきていることも事実。
そうなると、地域で欲求を解消できるフィールドはさらに作りやすくなる。
埼玉ポーズ連合(SPU)とは
一人でもそれはできるんだけど、二人いるともうちょっと広がるよね、三人いるとさらに広がるかもな、ということで構築していったのが、SPU(saitama pose union)、埼玉ポーズ連合。
名称は、前に言ったこのツイートが
映画『翔んで埼玉』のキャストどう?と聞かれるけど、我々にとっては、ぱるる姉さんがいるのが大きい。彼女は埼玉ポーズで雑誌の表紙に登場した最初の人。その島崎遥香が出てないなら、埼玉映画としてどーなんだと、我ら埼玉ポーズ連合は立ち上がっただろう
— 鷺谷政明 (@sagitani_m) November 14, 2018
一度ネットニュースに出たから
埼玉出身の島崎遥香「もうダサいたまと言わせない。でも何が残るのか」 映画『翔んで埼玉』で同県出身に不満を持つ娘役で出演
島崎遥香『翔んで埼玉』映画化でハイテンション「さあ!盛り上げようではないか!」
もうこれでいいやと。
イメージとしては、それぞれ独立している者同士が共同体を作っていくような、EU(欧州連合)やホラクラシーのようなもの。
「みんな」で「地域のために」なにかやろう!という考えは、これまでの地域活性化活動。
「自分」が「自分のために」なにかやろうとするとき、そのフィールドの選択肢として地元もありだよね、と考える人を増やしていくことが、これからの地域活性化活動。
ただ、補足しておきたいのは、行政を始めとして、多くの地域貢献活動団体の存在があったから、これまで助けられた人たちが大勢いたわけで、それで成立してきたこともたくさんあるということ。
一番大事なのは行動することであって、その方法が地域においても増えてきた。SPUは、その新たな方法を模索し追求していく連合体。
地域メディアの最終構想
SPUの最終構想は、埼玉県のトークンエコノミー発行。
この動画参照。
基本的に地域コミュニティは、愛好家が集まる同好会のようなボランティア組織が多い。そこに、トークンでエコノミーを作ることで、定量化しにくい価値を定量化する。
SPUという組織を一言でいうとDAO。ある程度の中央集権型を残してそれぞれが分散しながら繋がっている組織。
LINEの世界観もそれに相当すると、坪井大輔さんが著書の中でお話されてる通り。
埼玉のトークンエコノミーの名前は埼玉ポーズコインでもなんでもいいけど、この構想や動向は、引き続きこのサイト、及びそうだ埼玉TVで取り上げていきます。
SPUのメンバー及び新規加入者
今でも、週に1度くらいのペースで、下は10代、上は50代まで、「なにかやりたいんす!」という方からご連絡頂きます。
一時期は、とにかく人数を集めて、オンラインサロン的なものを構成し、会員数○人!みたいな数字の喧伝ができるようなコミュニティ構築を考えたときもあったけど、今のメンバーの個性やバランスがすごくいいので、それが薄まるくらいなら無理に増やさなくていいかなと考えてます。
前の記事で、上限は35人くらいとしたけど、
あんまり人数の増員は考えてません。
基本的に僕が対人恐怖症の人見知りだから、あんまり人が増えてくると疲れてきそうで。
どうしても関わりたいという物珍しい人がいたとしても、賢い人はどうやったら加われるか自分で考えて行動すると思うし、これだけ時代が劇的に変化しつつある中、受動的でいられる人は、多分ずっと受け身だと思うから。
とりあえず本記事では、SPUの前段まで。