
先日、私の地元である上尾市の商工会広報誌「あぴお」の取材を受けた時も話したんですが、
あぴお 2017年7月号 pdf
http://www.ageocci.or.jp/apio/pdf/201707/apio201707.pdf
私にとって上尾市で思い出深いのは「上尾夏祭り」。
2017年6月30日メルマガBN
「君の名は。」じゃありませんが、上尾夏祭りはいわゆる古き良き日本の夏祭りが凝縮されていて、すごく情緒があるんです。
駅前の中山道が両サイド屋台で埋め尽くされその距離感も程良い長さで、道路も人が行き交いしやすく、スカスカにもごちゃごちゃにもなりにくい絶妙な幅で、結果それが、景色としてすごくいい情景が浮かび上がるんです。
ドローンなんかで撮るといいと思いますが、今はもう飛ばせないので、一脚の擬似空撮(osmo)が良さそうですね。
あのほどよいスペースならVRでも臨場感がより伝わるかもしれない。
桶川市の夏祭りも中山道を使用していますが、桶川駅前の中山道は狭いので、ちょっと窮屈で息苦しい。
混雑時の竹下通りのようでだんだん面倒くさくなってきてしまう。
大宮夏祭りは逆に広すぎて、お祭りというよりはイベント的で、町の一体感みたいなものが形成されにくい。
そう考えると上尾夏祭りは、ふらーっと屋台を巡り歩きしながら、駅前についたら神輿を見て、すごくのんびりゆったりと「ザ・夏祭り」を堪能できるんです。
昔の上尾夏祭りは綱引きもやってたんですよ。
上尾駅前の交差点を中心にして中山道で左右に引っ張り合う。
記憶が正しければ、一度綱が切れたことがあって、どどーってみんなが倒れたりしたこともあったと思うんですが、子供心にすごいインパクトでした。
上尾市すげー!となんか思った記憶がある。
上尾市の神輿はとても一般的なサイズで、担ぎ手は20人くらいでしたかね、
で、まわりに5、60人くらいの人達が一緒についていて、神輿の数自体は10基くらいだったかな。
市内のそれぞれの地域から出てきて、駅前のロータリーに全部集まるんですよね。
その光景はやはり夏祭りの風情があって上尾市のくせにとても幻想的です。
神輿の上に小さい女の子とかが乗って、担ぎ手の掛け声にあわせてセンス振って、「せいや!せいや!」とやる光景がなんとも言えない美しさがあったんですが、あれ、禁止されたそうですね。
危険だからだそうですが、あれのなにが危険なのか。
70mの高さのビルとビルを渡るカイジの鉄骨渡りなら危険ですが、神輿の高さでしかも前後左右何十人もの大人達が周りを取り囲んでいるわけですよね。
もっと言えば、あそこから子供が落ちて仮に怪我をしたとしてそれの何がまずいのか。
乗る子供の親も、乗る子供も、その町内会の人もみんな了承して乗せて怪我して何が悪いか。
久喜市を見なさい。
久喜市の提燈祭りは神輿と神輿をぶつけ合う通称「喧嘩祭り」。
とんでもない轟音を響かせながら巨大な神輿をぶつけ合うんです。
担ぎ手は血気盛んな若者ばかりですから当然乱闘になる。
とは言え、やってる側もその想定なのでプロレス的なところもありますがシャレで小突き合ってたのがだんだんムキになってきて本当の喧嘩に発展していくというのもよくあるケース。
それでも、若い男達の怒鳴り合いや喧嘩も、夏の夜、駅前のロータリーで、神輿を背景にハッピを着たもの同士であればそれも情緒だったはずです。
薄暗い倉庫や公園で特攻服や学ラン着てやってるわけではないんで、警察も市民もいる衆人環視の中、年に一度の夏祭りの夜でのみ行われること。
暴力を肯定するわけではありませんが行きすぎた場合は上の人達が制裁に入る縦社会や序列もきちんとあるわけで。
こういったところも含め文化、そして社会がきちんと形成されてきたことは日本人なら誰もが知っているはずです。
それに比べて上尾市は、危ないから神輿の上に子供乗せちゃだめ、って。普通か。
幼少期、感動さえした年に一度のあの熱気は、そんな幼稚園のお遊戯感覚だったのか。
あの神秘的で幻想的な一夜はなんだったのか。
より合理的に、安全健全にしようというなら、毎年駅前はゴミで散らかるんだからポイ捨てしたら警察官が即座にラリアットしにくるというルールのほうがよっぽど合理的だ。
カツアゲとかしたら即座にキャメルクラッチ。
女の子に暴力振るうようなやつは上尾駅前二階デッキからブレーンバスター。
そもそも夏祭りなんて多かれ少なかれ風紀が乱れるんだから、子供を危険な目に遭わせたくないなら、夏祭り自体をなくしてしまう方が一番良いってことになる。
若者の弱体化が昨今ささやかれていますが弱体化させているのは大人で、子供を危険な目にさせず、あわせず、持ち込ませず、となんたら三原則みたいにしておいて、いざ大人になったらいきなり野放しにして働け休むな子供産めと責め立てるわけですからビビるし焦るしうつ病にだってなれば死を選択する者が出ても不思議ではない。
動物園の虎をいきなり野生に返すようなものであっという間に世間に喰われてしまいます。
そのうち公園の遊具もなくなり、校舎のベランダも消え、窓には柵がかけられるかもしれない。
体育も減り、廊下どころか校庭でさえ走るなと言われるかもしれない。
子供が危ないからダメという正義があらゆる人間教育を奪い、生きる力を知らずして成長した大人が最後に向かうのが悪なんです。
子供のために、と言っておけば聞こえはいいですが、結局自分さえよければいいんで、若いやつがどうなろうと関係ない。
用心するのは批判炎上対策の自主規制だけ。
時代に合わせて柔軟に対応していく「適応力」というのは、変える力だけでなく、変えない力という意味も含まれているんです。
そろそろ夏祭りの時期が来ます。
あなたの町の夏祭りはどうですか。
私はしばらく行ってません。
今年は久しぶりに行ってみようかな。
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